OWNERS STORY

それぞれの皮ジャン物語
  • Vol.1 Kenichi Asai
  • Vol.2 Takaya Yoshida
  • Vol.3 Motoharu Hirano
  • Vol.4 Zip Stevenson
  • Vol.5 Shoichi Goto
  • Vol.6 GAO Nishikawa
  • Vol.7 Minenori Honda
  • Vol.8 Yasuhide Toyama
  • Vol.9 Atsushi Oyagi
  • Vol.10 Seiji Guitar Wolf
  • Vol.11 Naohiro Takahara
  • Vol.12 Takashi Takayama
2010 vol.09 ラガーマン 大八木淳史

男が身につけるアイテムのなかでも特別な存在がレザージャケット。
もともとはモーターサイクリストたちのライディングギアとして生まれたけれど、時代とともにそれは反骨のシンボルとなり、アーティストのトレードマークになったり、そして外すことができないファッションアイテムへと進化した。
そんなレザージャケットを愛用する人たちのそれぞれのレザージャケットへの思いを聞く。
interview/S.Takenaka 竹中聡 photo/N.Ishikawa 石川奈都子
取材協力/No.5 team OB’S TEL078-764-5550

OWNERS STORY 2010 vol.09

OWNERS STORY vol.09

「アイビー+ライダース」格好えぇんちゃうかな。

僕の場合は、何と言ってもラグビーとの出会いを抜きには語れないわけですが、キッカケは伏見工業高校の入試の日に、恩師の山口良治先生にスカウトされたことでした。受かるかどうかも分からないのに(笑)。「ラグビー漬けの毎日で、ジャージか学生服しか着てへんかったんちゃうの?」と思われるかもしれませんが、兄の影響もあって小学生の頃から毎月ファッション誌を購読してたんです。小学生当時はアイビー全盛。中学になるとヘビーデューティアイビー。ダウンベストやPコートなんかが流行ってね。わざわざアメ横まで買いに行きましたもん。そういうのがベースにあって、あとは映画からも影響を受けましたね。『グリース』なんかでレザージャケットと出会うわけです。J・ディーンから続くハリウッドの流れで、米軍のサープラスなんかにも興味があって、でも三つボタンのブレザーは常に基本、みたいな。アイビーと言うても、いわゆるプレッピースタイルじゃなくて、何て言うのかな、東海岸の山の手学生というよりも、西海岸でスポーツやってる学生風っていうか、そういうスタイルが自分なりに出来上がっていったわけです。ライダースジャケットが欲しくなったのは中学生ぐらいかなぁ。高校に入ると恩師の目を盗んでバイクを乗り回していたからねぇ(笑)。その頃着てたのはナイロンでしたけど(笑)。当時の伏見工業高校は、まだ名門と呼ばれるまでの過渡期なんです。ヤンチャなヤツも多くてね。それこそ『スクールウォーズ』の世界そのまま。だから意外とラグビー以外の時間もあったんですよ。まぁ確かに製図を描いてるか、ラグビーをやってるか、メシ食ってるか寝てるか……、ほとんどがそのどれかでしたけどね(笑)。

OWNERS STORY 2010 vol.09

本物のレザーに出会うのはCB750に乗ってた大学時代。今のレザーは軽くなってるけど、当時のライダースは「重い、動きづらい、乗りにくい!」と思ったもんです(笑)。でも機能より気分なんです。気分は『グリース』のT・バーズ(笑)。今もバイクには乗ってますが、バイクってのはとにかく乗り続けてやらないと調子が悪くなる。まぁそういうタイプのバイクを選んできたというのもありますが。ケガをして半年入院していたりとかすると、乗れなくなるから売ってしまったり、付き合ったり離れたり……、その度に着るものも買っては手放し……を繰り返してますね。レザージャケットだけで、のべ50着ぐらいは買ったと思いますよ。一度も袖を通さず人にあげたりもしてますけど。何しろ体が大きいので、着られるのを見つけたら「とりあえず買ぉとかな!」ってのがあるから(笑)。お洒落もバイクもクルマも、もちろんラグビーも、一生付き合っていくでしょうね。何というか、どれもエバーグリーンな、普遍的な存在です。チノパンにボタンダウンに三つボタンブレザーにレジメンタルタイというブリティッシュトラッド・アイビースタイル。ラグビー選手って、知らず知らずにお洒落をしてるんですよね。そこにライダースを着る勇気ってのが、格好良いと思うんですよ。少年を大人にする。大人を紳士にする。そして紳士を子供に戻すのがラグビー。一方だけから見ると、単に円を描いているようですけど実はそうじゃない。スパイラルに向上していくんです。それはラグビーもファッションも同じやと思うので、ミリタリー系のレザージャケットならできる「フォーマルのくずし」を、今こそライダースでやってみてもえぇんとちゃうかなぁ。今のライダースの位置づけって、そういうところだと思いますね。

ページトップへ